中部電力は、愛知・岐阜・三重・静岡(富士川以西)・長野県を供給区域とする大手電力会社で、東京電力・関西電力に次ぐ国内第3の規模を誇ります。1951年の電気事業再編成令で発足し、連結売上高は約3兆円規模、トヨタ自動車を中心とする中部圏の自動車・製造業集積地域への安定供給を担います。発送電分離後は、一般送配電事業者の中部電力パワーグリッド、発電・小売事業の中部電力ミライズ、海外・新規事業の中部電力本体(持株会社)の体制で運営されています。

事業構造の特徴的な点として、火力発電部門は2019年に東京電力フュエル&パワーと統合してJERA(株式会社JERA)が設立され、現在は世界最大規模の独立系火力発電・LNG事業者として展開しています。これにより、中部電力本体の電源構成は、原子力(浜岡原発、長期停止中)、水力(大規模揚水、長野県・三重県等に集積)、再エネ(太陽光・風力・地熱等)、バイオマス、JERAからの電力購入、独立系IPP・新電力からの調達などを組み合わせる体制となっています。海外事業では、東南アジア・米州・欧州での発電・送配電・サービス事業を積極展開しています。

蓄電所事業の観点では、中部エリアは電力需要が大きく経済活動も活発で、製造業の脱炭素化ニーズも高い戦略的市場です。トヨタを中心とする自動車産業のEV・電池産業集積、中部国際空港・名古屋港等の物流ハブ、データセンター集積(首都圏・関西圏に次ぐ第3の集積地として注目)など、需要側の蓄電池ニーズが多面的に発展しています。中部電力グループは、子会社・合弁会社を通じて系統用蓄電池事業へ参入し、グループ全体での再エネ・蓄電池・需要側マネジメントの統合事業を推進しています。中部電力ミライズによるコーポレートPPA、中部電力PGによる系統運用、関連子会社による蓄電所開発・運用などが組み合わせられた体制です。

2030年に向けて、中部電力は脱炭素ビジョンとして「中部電力グループ経営ビジョン2.0」を掲げ、再エネ拡大、火力の脱炭素化(JERA経由でアンモニア混焼・水素発電)、原子力の安全運転、エネルギーサービス・地域DX・スマートシティ等の新領域開拓を推進しています。蓄電所事業の観点では、揚水発電との運用最適化、コーポレートPPAバランシング、地域マイクログリッド・スマートシティ事業、自動車産業との連携(V2G、車載電池二次利用、車載電池リサイクル)など、多様な事業機会があります。中部電力PGの系統運用方針、ノンファーム接続拡大、地域間連系線運用は、中部エリアでの蓄電所事業の重要な事業環境変数です。

グローバル展開の観点では、米国・欧州・東南アジア・中東等の海外市場展開機会、海外電池メーカー・PCSメーカー・運用事業者・インフラファンドとの戦略提携、国際標準化機関(IEC・IEEE・ISO)への参画、海外プロジェクトファイナンスの組成、各国規制(FERC・NFPA 855・EU電池規則等)への適合が、中長期事業戦略の重要要素です。日本企業の海外展開支援として、JBIC・JICA・JOGMEC等の公的機関との連携も活用が拡大しており、グローバル蓄電所市場での日本企業のプレゼンス確立が、業界の中長期成長を支えます。

グローバル展開の観点では、米国・欧州・東南アジア・中東等の海外市場展開機会、海外電池メーカー・PCSメーカー・運用事業者・インフラファンドとの戦略提携、国際標準化機関(IEC・IEEE・ISO)への参画、海外プロジェクトファイナンスの組成、各国規制(FERC・NFPA 855・EU電池規則等)への適合が、中長期事業戦略の重要要素です。日本企業の海外展開支援として、JBIC・JICA・JOGMEC等の公的機関との連携も活用が拡大しており、グローバル蓄電所市場での日本企業のプレゼンス確立が、業界の中長期成長を支えます。

主な出典・参考情報

  • 各社IR資料・有価証券報告書・統合報告書
  • 業界団体資料(JESIA、JPEA、JWPA、電池工業会等)
  • BloombergNEF・IHS Markit S&P Global・Wood Mackenzie等の調査レポート
  • 経済産業省・資源エネルギー庁 産業政策資料
  • IEA(国際エネルギー機関)World Energy Outlook
  • TCFD・ISSB・GRI等のサステナビリティ情報開示基準