1. なぜ「全国統合DB」を見るのか

系統用蓄電池の連系検討では、変電所単位の空き容量・予想潮流・N-1電制適用可否の確認が必須です。各送配電事業者は PDF・CSV・JSON など異なる形式 で公開しており、全国を横断した比較・検索は従来困難でした。

蓄電所ネット では、北海道電力NW・東北電力NW・東京電力PG・北陸電力送配電・中部電力PG・関西電力送配電・中国電力NW・四国電力送配電・九州電力送配電・沖縄電力 の10社のデータを統一スキーマに変換し、一元化しています(東京電力PGは2026年5月8日時点では公開停止中で、2026年6月2日の再開後に当サイトへ収録済み)。中部地方は 地図ベースのマーカー表示 を実現しています。

2. 全国分布の概観

東京電力PG を除く 9 エリアの特徴は以下の通りです(東京電力PG エリアは 東京電力PG エリアの一覧)。

  • 関西 ── 産業集積度高く、運用容量制約が多い
  • 中部 ── 緯度経度付き、地図検索可能
  • 東北 ── 風力連系候補多く、空容量分布も広い
  • 九州 ── 31地区(離島含む)に分割公開、ノンファーム接続適用が多い
  • 中国 ── 沿岸部の重工業密集
  • 北海道
  • 四国
  • 北陸 ── 立地は限定的だが N-1電制適用可率が高い
  • 沖縄 ── 離島系統独自の特徴

全国の収録件数、空容量プラスの件数、N-1電制適用可の件数は、系統空き容量データベースで最新の集計を確認できます。

3. エリア別の連系制約パターン

(1)関西エリア: 産業需要密度が高く、運用容量制約が顕著。(2)中部エリア: N-1電制適用可の比率が高い。当サイト独自の地図ベース検索が /grid/chubu/map で稼働中。(3)九州エリア: 31地区(離島含む)に細分化公開、ノンファーム接続適用設備が多い。(4)東北・中国・四国・北陸・沖縄: いずれも CSV ベースで構造化済み、エリア特性に応じた利用が可能。

4. 中部マップの4色マーカー解説

蓄電所ネット の中部マップでは、変電所を以下の4色で分類表示しています。

  • 緑: 空容量プラス かつ N-1電制適用可(最有望候補)
  • 青: 空容量プラス(連系候補)
  • オレンジ: 空容量0以下(連系困難、ただしノンファーム接続の余地あり)
  • グレー: 空容量データなし(水力発電所変電所等で特殊事情)

マーカーをクリックするとポップアップで詳細表示し、個別変電所ページへ遷移可能。クラスタリング機能で広域から狭域まで負荷なく閲覧できます。

5. 蓄電所事業者が活用する5つのポイント

(1)空容量プラスの絶対値より相対値: エリア平均との比較で立地優位性を判断。(2)N-1電制適用可の存在 ── 電力広域的運営推進機関「系統の接続および利用ルールについて ~ノンファーム型接続~」は、平常時に混雑が発生する系統では、N-1電制による運用容量拡大に、その系統のノンファーム電源の平常時の出力制御を緩和する効果が期待されるとしています。(3)平常時出力制御の可能性 ── 経済性・年間収益に直結する重要指標。(4)電圧階級(一次/二次kV)── 154kV/77kV/66kV で接続コスト・系統位置が大きく変動。(5)運用容量制約要因 ── 熱容量制約は容量増で対応可能、電圧/系統安定度制約は対策困難。

6. 位置情報と東京電力PG の収録

緯度経度付きのデータは中部のみです。東京電力PGは2026年6月2日に公開を再開し、当サイトにも収録済みです(東京電力PG エリアの一覧)。

7. まとめ ── 統合DB+地図がもたらす実務革新

系統制約は地域ごとに大きく異なり、各社の公開形式も統一されていません。蓄電所ネット は統合DB+地図ベース検索で、事業候補の初期スクリーニングを効率化します。

蓄電所ネットの空き容量データベースは /grid、中部地方の地図検索は /grid/chubu/map、東京電力PG の公開状況は /grid/tokyo でご確認いただけます。