電池レンタル(Battery Rental、Battery as a Service)は、蓄電池の所有権を顧客に移転せず、月額・年額の利用料形式で機器とサービスを提供する事業モデルで、家庭用・商業用・産業用の各セグメントで急成長している事業形態である。「サブスクリプション型」「シェアリング型」「BaaS(Battery as a Service)」とも呼ばれ、再エネ普及・分散型エネルギー時代の新たなビジネスモデルとして注目される。
事業モデルの主要バリエーションは、(1)家庭用フルサービスレンタル(顧客は月額利用料のみ、設備・保守・保険は事業者負担)、(2)EV車載電池スワップ(中国NIO Power Swap、台湾Gogoro等、走行距離あたり料金)、(3)EV車両本体は所有・電池はリース(CATL「EVOGO」モデル)、(4)産業用蓄電池ファイナンスリース、(5)VPPアグリゲーション付随の蓄電池供給(収益分配型)、(6)地域マイクログリッド向けレンタル、(7)BCP用途・防災レンタル(年次)、で多様化している。
顧客側のメリットは、(a)初期投資不要(CAPEX→OPEX化)、(b)保守・故障対応が事業者責任、(c)技術陳腐化リスクの事業者移転、(d)将来アップグレード対応、(e)ESG情報開示への貢献(再エネ調達手段として)、(f)税務最適化(リース料は損金算入)、などである。事業者側は、(i)長期キャッシュフローの確保、(ii)顧客ロックイン、(iii)リソース集約による市場応札、(iv)データ収集による予知保全・サービス向上、(v)残存価値リスクのコントロール、がメリットとなる。
主要事業者は、(A)国内:伊藤忠スマートスター、ELIIY Power(リレント)、京セラ、シャープ、東芝ESS、ニチコン、新出光、(B)海外:Tesla(Powerwall提携プログラム)、Sonnen、Sunrun、Generac、SunPower、(C)EV特化:NIO Power Swap、Gogoro、CATL EVOGO、(D)産業用特化:Stem、Fluence、Wartsila、などが活動している。日本の家庭用市場では、PV+蓄電池のフルサービスレンタル(月額1〜3万円)が成長しており、2030年代の卒FIT太陽光世帯(数百万件)が主要顧客層となる見通しである。
グローバル展開の観点では、米国・欧州・東南アジア・中東等の海外市場展開機会、海外電池メーカー・PCSメーカー・運用事業者・インフラファンドとの戦略提携、国際標準化機関(IEC・IEEE・ISO)への参画、海外プロジェクトファイナンスの組成、各国規制(FERC・NFPA 855・EU電池規則等)への適合が、中長期事業戦略の重要要素です。日本企業の海外展開支援として、JBIC・JICA・JOGMEC等の公的機関との連携も活用が拡大しており、グローバル蓄電所市場での日本企業のプレゼンス確立が、業界の中長期成長を支えます。
グローバル展開の観点では、米国・欧州・東南アジア・中東等の海外市場展開機会、海外電池メーカー・PCSメーカー・運用事業者・インフラファンドとの戦略提携、国際標準化機関(IEC・IEEE・ISO)への参画、海外プロジェクトファイナンスの組成、各国規制(FERC・NFPA 855・EU電池規則等)への適合が、中長期事業戦略の重要要素です。日本企業の海外展開支援として、JBIC・JICA・JOGMEC等の公的機関との連携も活用が拡大しており、グローバル蓄電所市場での日本企業のプレゼンス確立が、業界の中長期成長を支えます。
主な出典・参考情報
- 各社IR資料・有価証券報告書・統合報告書
- 業界団体資料(JESIA、JPEA、JWPA、電池工業会等)
- BloombergNEF・IHS Markit S&P Global・Wood Mackenzie等の調査レポート
- 経済産業省・資源エネルギー庁 産業政策資料
- IEA(国際エネルギー機関)World Energy Outlook
- TCFD・ISSB・GRI等のサステナビリティ情報開示基準