経過措置電源は、容量市場で容量確保契約金額から経過措置の控除を受ける電源。約款の用語の定義では、経過措置は「小売電気事業者の競争環境に与える影響を、一定期間緩和するための措置」、控除率は「経過措置対象電源の容量確保契約金額を控除するために定める比率」とされる。控除は約定価格ではなく容量確保契約金額に対して行われ、対象は電源等の区分が安定電源又は変動電源(単独)の場合に限られる。
対象要件は2つある。「電源等の経過年数に応じた控除」は契約電源が2010年度末までに建設された電源が対象、「入札内容に応じた控除」は各エリアにおいて応札価格が当該エリアの約定価格に入札内容に応じた控除額係数を乗じた価格以下の電源が対象で、両方に該当する場合もある。
電源等の経過年数に応じた控除率は対象実需給年度2025年度7.5%・2026年度6.0%・2027年度4.5%・2028年度3.0%・2029年度1.5%、入札内容に応じた控除額係数は同順に82.0%・85.6%・89.2%・92.8%・96.4%。対象実需給年度2024年度は、メインオークション分に控除率42%、調達オークション分に電源等の経過年数に応じた控除率9%・入札内容に応じた控除額係数78.4%が適用された。
「電源等の経過年数に応じた控除及び入札内容に応じた控除は、実需給期間が2029年度を最後に廃止します」(約款 附則(2021年7月1日)第2条7項)。対象実需給年度2030年度以降の約款に経過措置の定めはなく、2026年度メインオークション(対象実需給年度:2030年度)の募集要綱も「容量確保契約金額の算出に関する経過措置(削除)」としている。したがって、対象実需給年度2030年度以降の容量確保契約では、蓄電所を含め経過措置の控除は行われない。
主な出典
- 電力広域的運営推進機関「容量確保契約約款(対象実需給年度:2024 - 2029 年度)」2026年7月
- 電力広域的運営推進機関「容量確保契約約款(対象実需給年度:2030年度以降)」2026年7月
- 電力広域的運営推進機関「容量市場 メインオークション募集要綱(対象実需給年度:2030年度)」2026年7月30日