三次調整力①は、需給調整市場で取引される5商品のうちの一つで、応動時間15分以内・継続時間30分(商品ブロック=30分コマ)と定義されています(継続時間は2026年3月13日の商品要件見直しで3時間から30分に変更)。再生可能エネルギーの出力予測誤差を補正することを主目的に設計されており、太陽光・風力の急変動を吸収する役割を担います。一般送配電事業者(TSO)が必要量を募集し、発電・蓄電・需要側の調整力リソースが入札により参画する仕組みです。
商品設計の特徴は、応動時間が一次・二次調整力より長い点にあります。これにより、ガスタービンや揚水発電に加え、系統用蓄電池・DRリソース・ハイブリッド事業も参入しやすい商品となっています。約定はΔkW価格(容量料金)と実給電(kWh)の両方で精算され、入札はゲートクローズの前日に締切られます。入札は需給調整市場システムに行い、調整力は需給調整市場を通じてエリアを超えて広域的に調達されます。
蓄電所事業の収益モデルとしては、容量市場・需給調整市場・卸電力市場の三層構造のうち、需給調整市場の主力商品の一つとして位置付けられます。三次調整力①の入札では、SOC(充電残量)管理が重要で、30分連続放電に耐える設計と運用計画が求められます。蓄電池の劣化加速を避けるため、SOC運用幅を80〜20%等に制限する事業者も多く、その場合は実効容量が公称値より低くなる点に注意が必要です。
主な出典・参考情報
- OCCTO(電力広域的運営推進機関)公表資料・運用規程
- 資源エネルギー庁 電力・ガス事業政策
- 電力・ガス取引監視等委員会 報告書・指針
- JEPX(日本卸電力取引所)取引データ・市場ルール
- 一般社団法人 電力需給調整力取引所「取引規程(需給調整市場)」
- 経済産業省 エネルギー基本計画