1. 全体プロセス
需給調整市場への参加は、以下の段階を経ます。
- 事前登録(一般送配電事業者へのリソース登録)
- 応札(日次・週次など)
- 落札・運用計画提出
- 運用(要請応答)
- 精算(kW価値+kWh価値)
2. 事前登録
蓄電池リソースを需給調整市場で活用するには、まず一般送配電事業者(旧一電)への登録が必須です。登録項目:
- リソースID・所在地
- 定格出力(MW)・容量(MWh)
- 応動性能(応動時間・継続時間)
- 運用形態(自社運用 or アグリゲーター経由)
- 系統連系状況
3. 商品の種類と応札
需給調整市場には複数の商品があります。応答速度・継続時間の違いで分かれます。
- 一次調整力(FCR相当):秒単位応動、短時間継続
- 二次調整力①(FRR-H相当):5分以内応動、数十分継続
- 二次調整力②(FRR-L相当):5分以内応動、長時間継続
- 三次調整力①(再生可能エネルギーの予測誤差対応)
- 三次調整力②(再生可能エネルギーの長時間予測誤差対応)
応札はこれらの商品ごとに、kW価値(容量に対する対価)と運用条件を提示します。
4. 落札後の運用
落札後、運用計画を一般送配電事業者に提出します。運用中は、系統運用者からの要請に応じて応動する義務があります。応動できないとペナルティが発生します。
5. 精算の仕組み
精算は2軸で行われます。
- kW価値:容量に対する対価。応札・約定された価格で支払い
- kWh価値:実際に発動した電力量に対する対価
kW価値は安定収益、kWh価値は変動収益となります。
6. アグリゲーター経由の参加
単独参加が困難な場合、リソースアグリゲーター(特定卸供給事業者)に運用を委託する選択肢があります。アグリゲーターは複数リソースを束ねて市場参加し、運用代行手数料を取ります。
7. 三次調整力②と再エネ予測誤差
三次調整力②は、太陽光発電の予測誤差を補正する目的で使われ、再エネ比率の上昇とともに需要が拡大しています。蓄電池事業者にとって最も重要な収益源の一つです。
8. 留意点
- 応動性能の保証が事業継続の鍵
- 運用最適化EMSの精度が収益を左右
- 容量市場・JEPXとの優先順位設計
- 計量・通信機器の品質確保
- 系統運用者・アグリゲーターとの良好な関係
まとめ
- 需給調整市場参加は事前登録から精算まで5段階
- 5商品(一次・二次①②・三次①②)の特性を理解
- kW価値(安定)+kWh価値(変動)で精算
- アグリゲーター経由が新規参入の現実解
- 三次調整力②が最重要収益源