夜間電力(Nighttime Power、Off-peak Power)は、22時〜翌朝8時頃の夜間時間帯に供給される電力で、一般に需要が日中より少なく電力卸価格(JEPXスポット価格)が低水準となる時間帯の電力を指す。蓄電池の充電、揚水発電所の汲み上げ、蓄熱式給湯器(エコキュート等)の作動など、エネルギー貯蔵のための主要利用時間帯となる。
夜間電力の特徴は、(1)需要が日中より少ない(住宅は就寝、商業・産業活動の低下)、(2)ベースロード電源(原子力、大型火力)が稼働を継続するため供給は維持、(3)スポット価格が低水準(一般に1〜10円/kWh、深夜時間帯は更に低)、(4)需給バランスは余剰気味(特に再エネ大量導入時の春秋平日深夜)、(5)系統運用上は周波数調整が容易、(6)契約上は時間帯別料金制度(深夜電力契約、季時別電灯)の主要対象、などがある。
近年の市場変化として、(a)再エネ(PV)大量導入により昼間も低価格時間帯が拡大(春秋休日昼間)、(b)「ダックカーブ」現象(太陽光発電による昼間ネット負荷低下、夕方急上昇)、(c)夜間電力価格の構造変化(伝統的「夜間が安い」が崩れ、「春秋休日昼間が最安値」も発生)、(d)需給調整の役割逆転(伝統的に夜間調整→昼間PV出力制御、夜間蓄電池放電も)、(e)電力小売プランの細分化(時間帯別料金プランの多様化)、などが見られる。
蓄電所事業との関係では、(i)アービトラージ運用:夜間(または昼間PV余剰時)に低価格充電→夕方ピーク放電(高価格)の基本ビジネスモデル、(ii)容量市場:夜間時間帯の発動指令電源としての応動、(iii)需給調整市場:夜間時間帯の三次調整力②応動(45分応答)、(iv)非化石価値取引:夜間原子力由来非化石証書の取扱、(v)需要家側DR連携:夜間蓄熱式機器の需給調整、(vi)EV充電:深夜電力時間帯のスマート充電(V1G)、(vii)コーポレートPPA:時間帯別供給契約、と多様な応用が拡大している。
2030年代に向けて、再エネ大量導入と需給調整高度化に伴い、「夜間電力」の概念自体が変化していく見通しである。「ダックカーブ」「キャニオンカーブ」など系統運用課題が深刻化する中、蓄電池の役割が「夜間→昼間」「昼間→夜間」の双方向時間シフトへと拡大し、市場価格カーブの平準化に貢献するキーリソースとなる。事業者にとっては、夜間時間帯の収益機会と運用戦略の最適化が、長期事業性の重要な決定要素となる。
2030年代以降のグローバル脱炭素化加速・電力市場進化・電化進展・産業構造転換の中で、本領域は日本のエネルギー転換・産業競争力強化・経済安全保障確保の重要要素として位置付けられます。海外先進事例(米国・欧州・豪州・中国等)の継続把握、グローバル業界団体・国際標準化機関への参画、海外プロジェクト機会の探索、日本企業の海外展開支援機関(JBIC・JICA・JOGMEC等)との連携、ESG・サステナビリティ・グリーンファイナンス対応の高度化が、中長期競争力の基盤として戦略的に重要です。
2030年代以降のグローバル脱炭素化加速・電力市場進化・電化進展・産業構造転換の中で、本領域は日本のエネルギー転換・産業競争力強化・経済安全保障確保の重要要素として位置付けられます。海外先進事例(米国・欧州・豪州・中国等)の継続把握、グローバル業界団体・国際標準化機関への参画、海外プロジェクト機会の探索、日本企業の海外展開支援機関(JBIC・JICA・JOGMEC等)との連携、ESG・サステナビリティ・グリーンファイナンス対応の高度化が、中長期競争力の基盤として戦略的に重要です。
主な出典・参考情報
- 経済産業省・資源エネルギー庁 政策資料・統計
- OCCTO(電力広域的運営推進機関)公表資料
- 業界団体資料(JESIA、JPEA、JWPA等)
- IEA・IRENA等の国際機関統計
- 各社IR資料・公開情報