1. 二次調整力②(FRR-L)とは
二次調整力②(FRR-L:Frequency Restoration Reserve - Long)は、応動時間5分以内ながら継続時間が数時間に及ぶ調整力商品です。需給逼迫が長時間続く場合の対応力を求められ、蓄電池では4時間定格以上の長時間対応が必要となります。
2. 性能要件
- 応動時間:5分以内
- 継続時間:数時間(具体値は商品設計による)
- 応答精度:指令値に正確に追従
- 双方向対応:上げ下げ両方
3. 蓄電池での実現
蓄電池での二次調整力②提供:
- 4時間定格以上の長時間対応設計
- SOC管理で継続発動可能状態を維持
- 容量市場発動指令電源と要件が近接
- 両市場の同時参加で収益最大化
4. 容量市場との関係
容量市場の発動指令電源と二次調整力②は要件が類似:
- 4時間定格以上の蓄電池が両方に対応
- 同一資源で両市場の収益機会
- EMSが市場間最適化を実施
5. 三次調整力②との違い
- 二次調整力②:応動5分以内、継続数時間
- 三次調整力②:応動45分、継続3時間(再エネ予測誤差対応)
6. 取引価格
応答性能要件の厳しさを反映した価格水準で、需給逼迫期には高単価となります。
7. 参加方法
- 一般送配電事業者へのリソース登録
- 応札(日次)
- 落札後の運用
- 事後精算
8. アグリゲーター経由参加
多くの蓄電池事業者はアグリゲーター経由で参加。専門知識・システムを必要とせずに市場参加できる現実的な経路です。
9. 海外との比較
- 欧州:aFRR(automatic Frequency Restoration Reserve)
- 米国:Secondary Reserve・Spinning Reserve
- 日本独自の商品体系
10. 今後の動向
- 需給逼迫対応の重要性増加
- 蓄電池の主役化
- 応動性能要件の精緻化
- 商品設計の継続改善
欧州(ENTSO-E・EU電力市場)・米国(FERC・各ISO/RTO)・豪州(AEMO)・中国・韓国等の海外電力市場における同様制度の動向把握が、日本の制度設計改善の参考として重要です。グローバル機関投資家・ESG投資ファンド・グリーンファイナンス機関の参入拡大、IFRS S2・TCFD等の情報開示基準対応、24/7マッチング・カーボンプライス連動の本格化が、市場機能の高度化を駆動します。蓄電所事業者は、業界団体・規制当局との対話に加え、海外動向の継続把握・国際的な業界連携への参画が、戦略上の重要要素となります。
主な出典・参考情報
- OCCTO(電力広域的運営推進機関)公表資料・運用規程
- 資源エネルギー庁 電力・ガス事業政策
- 電力・ガス取引監視等委員会 報告書・指針
- JEPX(日本卸電力取引所)取引データ・市場ルール
- 需給調整市場・容量市場 業務規程
- 経済産業省 エネルギー基本計画