特別高圧(Extra High Voltage、特高)は、電気設備技術基準(電技)における電圧区分の最上位区分で、交流7,000V超、直流7,000V超の電圧を指す。系統用蓄電所の系統連系電圧として、66kV(66,000V)、77kV、110kV、154kV、220kV、275kV、500kVなどが対象となる。

電圧区分は3階層で、(1)低圧(交流600V以下、直流750V以下、住宅・小規模施設)、(2)高圧(交流600V超〜7,000V以下、中規模施設・小規模発電所、6.6kV系統が標準)、(3)特別高圧(7,000V超、大規模発電所・大規模工場・系統連系)、と区分されている。区分により電気主任技術者の選任要件、保安規程、設備離隔距離、立ち入り制限などが異なる。

蓄電所の系統連系電圧は、出力規模に応じて、(a)2MW以下:6.6kV高圧、(b)2〜10MW級:66kV特別高圧(変電所バンク連系)、(c)10〜50MW級:66〜154kV特別高圧、(d)50MW級超:154〜275kV特別高圧基幹系統連系、と段階的に高圧化する。出力増による電流増を抑制し、送電損失と系統影響を低減する設計上の必然性がある。

特別高圧連系の蓄電所では、(i)特別高圧用変圧器(昇圧用、油入またはモールド)、(ii)GIS(Gas Insulated Switchgear、ガス絶縁開閉装置)または屋外GCB、(iii)保護リレー盤(後備保護含む多重リレー設計)、(iv)系統連系試験設備(充電・遮断試験用)、(v)系統運用者TSOとの専用通信回線(IEC 61850対応)、などの大規模付帯設備が必要となり、CAPEX全体の20〜30%を占める。第3種電気主任技術者ではなく、第2種または第1種の選任が必要となる。

2030年に向けて、特別高圧連系の蓄電所は日本のエネルギー転換の中核インフラとして位置付けられます。GW級洋上風力・大規模太陽光・原子力長期運転等との統合運用、地域間連系線の大幅増強、長期脱炭素電源オークションの大型蓄電池案件、海底直流送電(HVDC)との接続など、多面的なプロジェクト機会が生まれます。蓄電所事業者にとって、特別高圧連系は規制・技術・ファイナンス・運用すべての面で高度な能力を要する戦略的事業領域です。

国際的には、IEC・IEEE等の国際標準化機関での規格策定、グローバル製造・運用事業者間の技術連携、新興市場(東南アジア・中東・アフリカ等)への展開機会拡大が進展しています。日本企業にとって、本技術領域での研究開発投資の継続、スタートアップ・大学・国立研究機関との産学連携、特許戦略・知財管理の高度化、海外実証案件への参画が、グローバル競争力確保の重要要素です。経済安全保障・サプライチェーン国産化政策の中で、本技術の戦略的位置付けは中長期的にますます重要となります。

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主な出典・参考情報

  • IEC(国際電気標準会議)規格群(IEC 62933、IEC 62619、IEC 61850等)
  • IEEE(米国電気電子学会)標準(IEEE 1547、IEEE 2030.5等)
  • JIS(日本産業規格)電気・電池関連規格
  • UL認証規格(UL 9540、UL 9540A、UL 1973等)
  • 各メーカー製品仕様書・技術資料
  • NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)技術ロードマップ