V2G(Vehicle to Grid)は、電気自動車(EV)の車載リチウムイオン電池を放電方向に活用し、電力系統に対して電力供給・需給調整サービスを提供する技術・ビジネスモデルである。EVを「移動可能な蓄電池」として位置づけ、走行で使わない時間(一般に1日の約95%)に電力リソースとして活用する点に特徴がある。

技術的には、双方向充放電器(V2X対応器)が中核設備で、CHAdeMO規格は世界で最も早くV2Hを規格化し、CHAdeMO 2.0でV2G対応が標準化された。CCS規格(欧米中心)はISO 15118-20で双方向化を規格化し、2024年以降のEV車種で順次対応が拡大している。出力規模はV2H(家庭向け)で6kW、V2L(モバイル給電)で1.5〜3kW、V2G(系統向け)で10〜100kW級が主流となる。

事業モデルは、(1)アグリゲーターが多数のEVを束ねて需給調整市場(三次調整力②)に応札、(2)小売電気事業者がEVオーナーへの動的料金提示でピークシフトを促す、(3)BCP用途(防災・非常時電源)として自治体が一括契約、などのバリエーションがある。海外では英国OVO Energy、米国Nuvve、オランダWe Driveなどが先行事例として知られる。

日本では、2018年から経産省・環境省合同のV2G実証事業が実施され、2024年からは需給調整市場にV2Gアグリゲーターが本格参加。EV普及(2030年保有目標約1,000万台)と並行して、2030年代中盤に重要な分散型柔軟性資源となる見通しで、蓄電所事業との競合・補完関係が注視されている。

2030年に向けて、V2Gは EV普及加速・需要側マネジメント本格化の中で本格普及期を迎えます。EV充電器・V2G充放電器の標準化、需給調整市場・容量市場参加、コーポレートPPA・24/7マッチング対応、地域マイクログリッド統合、AI最適化制御、IEC・IEEE等の国際標準化進展などが進展します。蓄電所事業者にとって、V2Gは新たな分散リソースとして、VPP・アグリゲーション事業の重要要素となります。

蓄電所業界では、本技術領域の継続的な進化への対応が事業競争力の決定要因です。AI・デジタルツイン基盤の活用、サイバーセキュリティ強化(IEC 62443等)、サーキュラーエコノミー対応、メーカー・第三者試験機関・業界団体との連携、国際標準化への参画が、技術上の競争力・社会的信頼・運用継続性を支える重要な戦略要素となります。

国際的には、IEC・IEEE等の国際標準化機関での規格策定、グローバル製造・運用事業者間の技術連携、新興市場(東南アジア・中東・アフリカ等)への展開機会拡大が進展しています。日本企業にとって、本技術領域での研究開発投資の継続、スタートアップ・大学・国立研究機関との産学連携、特許戦略・知財管理の高度化、海外実証案件への参画が、グローバル競争力確保の重要要素です。経済安全保障・サプライチェーン国産化政策の中で、本技術の戦略的位置付けは中長期的にますます重要となります。

国際的には、IEC・IEEE等の国際標準化機関での規格策定、グローバル製造・運用事業者間の技術連携、新興市場(東南アジア・中東・アフリカ等)への展開機会拡大が進展しています。日本企業にとって、本技術領域での研究開発投資の継続、スタートアップ・大学・国立研究機関との産学連携、特許戦略・知財管理の高度化、海外実証案件への参画が、グローバル競争力確保の重要要素です。経済安全保障・サプライチェーン国産化政策の中で、本技術の戦略的位置付けは中長期的にますます重要となります。

主な出典・参考情報

  • IEC(国際電気標準会議)規格群(IEC 62933、IEC 62619、IEC 61850等)
  • IEEE(米国電気電子学会)標準(IEEE 1547、IEEE 2030.5等)
  • JIS(日本産業規格)電気・電池関連規格
  • UL認証規格(UL 9540、UL 9540A、UL 1973等)
  • 各メーカー製品仕様書・技術資料
  • NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)技術ロードマップ