var(バール、Volt-Ampere Reactive、無効電力)は、交流電力における無効電力の単位で、電圧と電流の位相差により発生する電力成分である。実際にエネルギーとして消費されない(仕事をしない)が、電気機器の電磁界形成や電力系統の電圧維持に不可欠な電力成分で、有効電力(W、ワット)と区別される。
電力の3要素は、(1)有効電力 P [W]:実際の仕事をする電力(モーター回転、照明、加熱等)、(2)無効電力 Q [var]:電磁界の形成・維持に使われる電力(変圧器・モーター等のインダクタンス、コンデンサのキャパシタンス)、(3)皮相電力 S [VA]:見かけの電力、P²+Q²=S²の関係、で表される。無効電力には、誘導性無効電力(遅相、Lagging、誘導機・変圧器負荷)と容量性無効電力(進相、Leading、コンデンサ負荷)がある。
電力系統運用での無効電力の役割は、(a)電圧維持(系統電圧は無効電力の流れで決定される、有効電力は周波数を決定)、(b)力率改善(PF:Power Factor、無効電力低減で送電損失削減)、(c)安定度向上(過渡安定度、電圧安定度の確保)、(d)系統故障時の電圧崩壊防止、(e)長距離送電での電圧降下補償、などである。
蓄電所のPCS(パワーコンディショナ)は、4象限制御能力(4-quadrant operation)を持ち、有効電力(充放電、P軸)と無効電力(進相・遅相、Q軸)の両方を独立に制御可能である。これにより、(i)有効電力供給(市場応札、需給調整)と並行して、(ii)無効電力供給(電圧調整サービス、力率改善)を提供でき、(iii)系統運用者からの電圧調整要請にも応動可能で、(iv)将来的に「電圧調整市場」が制度化されれば追加収益源となる、(v)一般送配電事業者との連系契約で力率制限(一般に進相0.95〜遅相0.95)が定められる、などの実務的位置付けがある。米国・欧州では蓄電池の無効電力サービスが標準化しつつあり、日本でも今後の制度整備が期待される。
蓄電所業界では、本技術領域の継続的な進化への対応が事業競争力の決定要因です。AI・デジタルツイン基盤の活用、サイバーセキュリティ強化(IEC 62443等)、サーキュラーエコノミー対応、メーカー・第三者試験機関・業界団体との連携、国際標準化への参画が、技術上の競争力・社会的信頼・運用継続性を支える重要な戦略要素となります。
国際的には、IEC・IEEE等の国際標準化機関での規格策定、グローバル製造・運用事業者間の技術連携、新興市場(東南アジア・中東・アフリカ等)への展開機会拡大が進展しています。日本企業にとって、本技術領域での研究開発投資の継続、スタートアップ・大学・国立研究機関との産学連携、特許戦略・知財管理の高度化、海外実証案件への参画が、グローバル競争力確保の重要要素です。経済安全保障・サプライチェーン国産化政策の中で、本技術の戦略的位置付けは中長期的にますます重要となります。
国際的には、IEC・IEEE等の国際標準化機関での規格策定、グローバル製造・運用事業者間の技術連携、新興市場(東南アジア・中東・アフリカ等)への展開機会拡大が進展しています。日本企業にとって、本技術領域での研究開発投資の継続、スタートアップ・大学・国立研究機関との産学連携、特許戦略・知財管理の高度化、海外実証案件への参画が、グローバル競争力確保の重要要素です。経済安全保障・サプライチェーン国産化政策の中で、本技術の戦略的位置付けは中長期的にますます重要となります。
主な出典・参考情報
- IEC(国際電気標準会議)規格群(IEC 62933、IEC 62619、IEC 61850等)
- IEEE(米国電気電子学会)標準(IEEE 1547、IEEE 2030.5等)
- JIS(日本産業規格)電気・電池関連規格
- UL認証規格(UL 9540、UL 9540A、UL 1973等)
- 各メーカー製品仕様書・技術資料
- NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)技術ロードマップ