自己託送は、自社(または密接な関係会社)が所有する発電設備で発電した電力を、一般送配電事業者の送電網を介して、自社の他施設へ送電する制度です。電気事業法上、自己託送は小売電気事業に該当しないため、小売事業者を介さず、託送料金のみを負担して電力を移送できます。脱炭素経営の有力な選択肢として、近年大企業を中心に採用事例が増加しています。

制度の対象は、発電者と需要家が同一企業(または資本関係50%超等の密接な関係会社)であり、再エネ発電設備での発電電力が対象となります。一般送配電事業者と託送供給契約を結び、託送料金(基本料金+電力量料金)を支払うことで、エリア内・エリア間(連系線経由)で電力移送が可能です。30分同時同量(計画値同時同量)の遵守が求められ、計画乖離時にはインバランス料金が発生します。蓄電池併設で需要時間帯への電力シフトを行うケースや、複数拠点の需要平準化を実現するケースで活用されています。

蓄電所事業の観点では、自己託送は次の活用パターンがあります。第一に、再エネ電源と需要拠点のミスマッチ(時間・場所)を蓄電池で吸収するハイブリッド事業。第二に、複数事業所間の需給バランシングで、ある拠点の余剰を蓄電池蓄積→他拠点に放電供給するモデル。第三に、データセンター・工場のCO2フリー電力調達で、コーポレートPPAの代替手段または補完手段として活用。第四に、グループ会社間の電力融通で、グループ内のエネルギー最適化を図るモデルです。RE100対応・GHG排出削減の文脈で、企業価値向上にも直結します。

2030年に向けて、自己託送の制度・実務は更なる進化が見込まれます。グループ会社間の自己託送要件緩和議論、再エネ電源確保のための共同出資型自己託送、蓄電池併設による時間粒度マッチング精度向上、24/7マッチング対応の精緻化、コーポレートPPA・電力購入契約との並存設計など、実務上の論点が多く存在します。脱炭素経営をリードする大企業にとって、自己託送と蓄電池併設は再エネ調達ポートフォリオの中核手段として定着しつつあります。

蓄電所事業者にとって、本事業領域への戦略的取り組みは長期競争力・社会的価値創造の重要要素です。グローバルなESG投資・グリーンファイナンス連動、需要家・パートナー・規制当局との中長期関係構築、AI・デジタル基盤の戦略活用、業界団体経由の政策対話・標準化への参画が、2030年代の脱炭素化加速時代における事業成功の基盤として位置付けられます。

グローバル展開の観点では、米国・欧州・東南アジア・中東等の海外市場展開機会、海外電池メーカー・PCSメーカー・運用事業者・インフラファンドとの戦略提携、国際標準化機関(IEC・IEEE・ISO)への参画、海外プロジェクトファイナンスの組成、各国規制(FERC・NFPA 855・EU電池規則等)への適合が、中長期事業戦略の重要要素です。日本企業の海外展開支援として、JBIC・JICA・JOGMEC等の公的機関との連携も活用が拡大しており、グローバル蓄電所市場での日本企業のプレゼンス確立が、業界の中長期成長を支えます。

グローバル展開の観点では、米国・欧州・東南アジア・中東等の海外市場展開機会、海外電池メーカー・PCSメーカー・運用事業者・インフラファンドとの戦略提携、国際標準化機関(IEC・IEEE・ISO)への参画、海外プロジェクトファイナンスの組成、各国規制(FERC・NFPA 855・EU電池規則等)への適合が、中長期事業戦略の重要要素です。日本企業の海外展開支援として、JBIC・JICA・JOGMEC等の公的機関との連携も活用が拡大しており、グローバル蓄電所市場での日本企業のプレゼンス確立が、業界の中長期成長を支えます。

主な出典・参考情報

  • 各社IR資料・有価証券報告書・統合報告書
  • 業界団体資料(JESIA、JPEA、JWPA、電池工業会等)
  • BloombergNEF・IHS Markit S&P Global・Wood Mackenzie等の調査レポート
  • 経済産業省・資源エネルギー庁 産業政策資料
  • IEA(国際エネルギー機関)World Energy Outlook
  • TCFD・ISSB・GRI等のサステナビリティ情報開示基準

関連:実データで確認

蓄電所ネット では、全国9社・6,507変電所の系統空き容量データを統合提供しています。