1. 託送料金制度の現状
託送料金は一般送配電事業者の送配電網利用料。現行制度では小売事業者(電源使用者側)が大部分を負担。発電事業者は系統利用料を限定的にしか負担していない。再エネ拡大に伴う系統増強費用の負担分担が課題に。
2. 2027年度改定の方向性
- (A) 発電側課金:発電事業者の系統利用料負担導入
- (B) レベニューキャップ制度:送配電事業者の収入規制方式の改革
- (C) 系統増強費用の負担見直し:再エネ拡大対応
- (D) 託送料金の地域別設計:エリア別需給状況反映
- (E) 蓄電池の特例措置:充放電両方への課金が議論
3. 蓄電池への影響
蓄電池は充電時に系統から電力を引き入れ、放電時に系統に戻す双方向取引主体。発電側課金が導入される場合、放電時に発電事業者として課金される可能性がある。充電時の小売側課金と合わせ二重課金のリスクがあり、業界全体で特例措置が要望されている。
4. 業界団体の要望
(1)蓄電池事業者協会:充放電双方への課金回避、(2)JBA:欧米の前例を踏まえた合理的設計、(3)再エネ事業者団体:併設蓄電池の特例、(4)需要家団体:自家消費型の取扱い明確化。経産省は2025〜2026年の検討で結論を出す予定。
5. 蓄電池事業者の対応策
(1)パブリックコメント参加:制度設計への意見提出、(2)業界団体活動:JBA・JCRE等の集団対応、(3)事業計画の感度分析:託送料金変動シナリオ織込み、(4)EPC・契約条件:託送料金変動条項の明記、(5)立地戦略:託送料金低エリアの優先選定、(6)マルチユース最適化:充放電パターンの戦略的設計。
6. 海外比較
米国(ISO別に異なる扱い、CAISOは併設特例あり)・英国(蓄電池の発電事業者扱い、課金あり)・ドイツ(EEG法で特例)・豪州NEM(発電側課金あり、蓄電池は条件付)。日本制度の最終形は、これら前例を踏まえた合理的設計が期待される。
7. 業界への示唆
(1)2027年度改定の継続監視、(2)制度設計議論への積極参加、(3)感度分析での事業計画堅牢化、(4)契約条件での変動対応、(5)立地戦略の柔軟性、(6)業界団体活動の重要性。