1. インバランス料金とは

計画値同時同量制度の下、小売電気事業者・発電事業者が30分コマで提出する計画値と実需給の差(インバランス)を、一般送配電事業者が代行して調整し、その費用を関係者に精算する仕組み。インバランス料金は需給調整市場約定価格と連動する形で算定される。

2. なぜ蓄電池に有利か

インバランス料金は需給逼迫時に急騰する性質がある。蓄電池は数分〜30分程度の短時間で大量のkWh充放電が可能なため、価格急変動を捕捉できる稀有なリソース。特に夏季ピーク時の余剰太陽光(マイナス価格化)、冬季夕方の需要急増時の高インバランス価格を狙う運用が効果的。

3. 収益化の実務

インバランス収益はマルチユース運用の中で機会的に取りに行くもので、主収益というより上振れ要因と位置づけるのが妥当。以下の設計が一般的:

  • JEPXコマ毎価格と需給調整約定価格の予測モデルを構築
  • 計画値提出時にインバランス収益機会を加味して充放電を調整
  • 電池劣化コストとのバランスで運用回数を制御

4. リスクと注意点

逆ザヤ(計画通りに動けず損失)も発生し得る。とくにインバランス価格は事後確定のため、運用時点では予測ベースでしか動けない。予測モデルの精度が収益の鍵となる。AIを活用した需給予測サービス(エナリス、Tensor Energy、Sustech等)の活用が広がる。

5. 最新動向

2024年頃から、エナリス・パワーエックス等が需給予測サービスを商用提供。三次調整力②の取扱変更、計画値提出ルールの厳格化と並行して、インバランス収益機会の見極めが事業者の競争力に直結している。


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