1. ベースロード市場の制度概要
2018年度に開始したベースロード市場は、旧一般電気事業者(東京電力等)が保有する石炭火力・水力・原子力等の低廉な「ベースロード電源」の電力を新電力に開放する制度。固定価格・年間単位で取引され、新電力の電源調達の安定化に貢献。
2. 制度の趣旨
- (A) 新電力の電源確保支援:旧一電依存からの脱却
- (B) 電力市場の競争促進:寡占構造の緩和
- (C) 価格安定化:JEPXスポット価格と独立した安定電源源
- (D) 制度の継続性:再エネ拡大期での電力安定供給
3. 取引の仕組み
(1)取引主体:旧一電(売り手)・新電力(買い手)、(2)取引単位:年間単位、(3)価格:固定価格、エリア別、(4)商品:24時間×365日のベースロード電力、(5)対象電源:石炭・水力・原子力等の低廉電源、(6)取引所:JEPXのベースロード市場。
4. 蓄電池ビジネスとの関連
蓄電池はベースロード電源とは異なる「ピーク・ミドル領域」の電源。直接的な競合はないが、新電力が蓄電池とベースロード電源を組み合わせて顧客への安定供給を構築する事例が増加。蓄電池はベースロード電源の補完として、需要ピーク時の調整役として機能。
5. 価格動向と蓄電池への影響
ベースロード市場価格は8〜12円/kWh程度で推移。これは蓄電池がJEPXスポット市場で蓄電する基準価格の下限の参考値。蓄電池の充電原価が、新電力のベースロード電源代替判断指標として参照される。
6. 業界動向
(1)新電力のベースロード調達戦略の多様化、(2)蓄電池併用での顧客向け安定供給モデル、(3)再エネ拡大期での「実質再エネ」訴求、(4)旧一電の電源開放規模の継続見直し、(5)2026年同時市場(一体市場)でのベースロード市場再編可能性。
7. 業界への示唆
(1)蓄電池事業者は新電力との連携での顧客向けバンドル供給を検討、(2)ベースロード価格の継続監視、(3)旧一電の電源開放動向把握、(4)再エネ拡大期での蓄電池の差別化戦略、(5)新電力顧客側の電源調達戦略理解が必須。