【研究の要旨とポイント】

  • ナトリウムイオン電池・カリウムイオン電池の負極材料として優れた特性を示す新たなハードカーボンの合成に成功しました。
  • 合成したハードカーボンを負極として使用したナトリウムイオン電池を作製し、312 Wh/kgという非常に高いエネルギー密度を示すことを実証しました。
  • 本研究をさらに発展させることで、希少元素を使わないナトリウムイオン電池やカリウムイオン電池の実現が期待されます。



【研究の概要】

東京理科大学理学部第一部応用化学科の駒場慎一教授、多々良涼一講師、同大学大学院理学研究科化学専攻の五十嵐大輔氏(2023年度博士後期課程2年)、田中陽子氏(2022年度修士課程修了)、物質・材料研究機構 エネルギー・環境材料研究拠点の久保田圭主任研究員らの研究グループは、ナトリウムイオン電池やカリウムイオン電池用の新たな負極材料である「ZnO鋳型ハードカーボン(HC-Zn)」を合成することに成功しました。このHC-Znを負極に使用したナトリウムイオン電池は、現行の商用リチウムイオン電池に匹敵するほど高いエネルギー密度を示しました。


リチウムイオン電池ではグラファイトを負極材料として使用しますが、ナトリウム-グラファイト層間化合物は熱力学的に不安定であるためグラファイトは使用できず、ナトリウムイオン電池ではハードカーボン(難黒鉛化性炭素)が使用されてきました。ハードカーボンはグラフェンがランダムに積層し、その隙間にはナノサイズの空孔を有しているため、ナトリウムイオンを可逆的に脱挿入することが可能です。本研究グループは、過去にMgOを鋳型としたハードカーボンを合成し、負極材料としての性能を報告してきました。そこで今回、より優れた性能を有する新たな負極材料の創製を目的として、研究を進めてきました。


本研究では、過去に報告したMgO鋳型ハードカーボンに関する研究を発展させて、Mgと類似した性質を示すZnやCaを使用することを発案しました。ZnやCaを含む原料の組成比を系統的に変化させたさまざまなハードカーボンを合成し、負極材料としての性能評価を行いました。その結果、ZnOを鋳型とするハードカーボンで、原料のグルコン酸亜鉛と酢酸亜鉛の組成比を75 : 25にして合成すると、最も優れた性能(464 mAh/gの可逆容 出典・関連情報 🎯 企業元リリース: https://www.tus.ac.jp/today/archive/20231113_2535.html 企業公式サイト: https://www.tus.ac.jp/ PR TIMES: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000102047.html