OCCTO(電力広域的運営推進機関)の長期広域系統整備計画に基づき、北海道・東北沖の大規模洋上風力(GW級)の本州側送電を支える海底直流送電(HVDC:High Voltage Direct Current)の整備計画が本格化しています。蓄電所ネットでは、本整備計画と蓄電池業界との関係を分析しました。

HVDC整備計画の概要として、北海道・本州連系(北本連系設備)の180万kW級への増強、東日本・西日本周波数変換設備(FC)の300万kW級への拡大、洋上風力連系のための新規海底直流送電線整備など、長期広域系統整備計画では数兆円規模の投資が予定されています。技術方式は自励式コンバータ(VSC:Voltage Source Converter)の本格採用が見込まれ、サイリスタ式(LCC)からの世代交代が進みます。

蓄電池併設の戦略的価値として、第一に洋上風力の出力変動・予測誤差を吸収する併設蓄電池で安定出力供給と需給調整市場参加を実現。第二に陸上連系点・変電所近傍の蓄電池配置で系統電圧支援・周波数調整・グリッドフォーミング機能を提供。第三に洋上風力+蓄電池のハイブリッド事業として長期脱炭素電源オークション参画・コーポレートPPA供給最適化。第四に地域マイクログリッド・水素製造との統合で地域脱炭素価値の最大化。

主要プレイヤー動向として、洋上風力プロジェクトでは三菱商事・三井物産・住友商事・伊藤忠商事・JERA・東北電力・東京電力・電源開発・パワーエックス・コスモエコパワー等が参画。HVDC機器メーカーは日立エナジー・東芝エネルギーシステムズ・三菱電機・Hitachi Energy等。蓄電池併設では各IPP・専業事業者が戦略立地確保を競っています。秋田・青森沖、千葉県銚子沖、長崎県五島沖等の促進区域でのプロジェクト本格化が、関連する蓄電所事業の重要な地理戦略要素となります。

2030年の目標として、洋上風力10GW(陸上風力含めて30GW級の風力電源)導入が掲げられ、首都圏・関西圏への送電を支えるHVDC・蓄電池統合インフラの構築が、エネルギー転換の象徴的プロジェクトとして注目されています。蓄電所ネットでは関連動向を継続的に追跡していきます。