1. 国別市場規模(2025年実績・2026年予測)

2025年導入量

2026年予測

主要政策

中国

~80GWh

~120GWh

送変電向け強制設置

米国

~50GWh

~70GWh

IRA(投資税額控除30%)

欧州

~20GWh

~30GWh

REPowerEU、各国補助金

豪州

~5GWh

~8GWh

容量市場+大規模BESS

韓国

~3GWh

~4GWh

ESS安全規格強化

日本

2.5GWh

4.2GWh

需給調整・容量市場・LTDC

2. 米国 IRA(インフレ抑制法)の影響

2022年成立の米IRAは、蓄電池プロジェクトに最大30%の投資税額控除(ITC)を認めた。これが米国BESS市場の爆発的成長を生み、2024年には米国単体で年30GWh超を実装。Tesla、Fluence、Powin、Wartsila等の主要BESS事業者が大規模案件を相次いで稼働させている。

3. 中国の支配力

世界最大のBESS市場+最大の電池メーカー(CATL、BYD、EVE Energy、CALB等)。送変電段階での蓄電池併設を強制する政策で需要を創出。2025年にBYDがサウジで世界最大級12.5GWh案件を受注。中国メーカーは輸出競争力でグローバル覇権を握る。

4. 欧州 REPowerEU の波及

2022年のロシア・ウクライナ戦争以降、欧州は天然ガス依存からの脱却を加速。REPowerEUで2030年までに再エネを大幅拡大、付随して蓄電池需要が急増。英国・ドイツ・スペインで容量市場や周波数調整向け蓄電池プロジェクトが相次ぐ。

5. 豪州の特殊性

太陽光普及率が極めて高く、大規模BESS(100MWh級)が連続稼働。Hornsdale Power Reserve(150MW/194MWh、Tesla)、Wallgrove BESS(50MW/75MWh)など世界最先端事例。大規模ファイナンス・市場運用ノウハウは日本も学ぶべき水準にある。

6. 日本の位置づけ

日本は規模では遅れているが、安全基準・系統連系ルール・市場設計の精緻さでは世界最先端水準。海外勢が日本市場参入を狙う(LG ES、CATL、BYD、Tesla、Fluence、Wärtsilä等)一方、日本勢の海外展開は限定的。みずほリースが英で3GW BESS出資(2025/12)など、海外進出の動きも芽吹く。

7. 日本のキャッチアップ可能性

2026年から需給調整市場の上限引下げで応札増加・kW価値依存度低下、低圧開放、長期脱炭素オークション継続の3つで市場拡大は確実。2030年までに年10〜20GWh規模に成長する見込み。日本市場の精緻さを活かし、独自の競争力を築けるかが今後5年の課題となる。


※本稿は公開情報を編集部が整理した解説記事です。個別事業の意思決定にあたっては一次出典・専門家のレビューを必ずご参照ください。